マーケティング戦略

Yahoo! JAPANの検索ログデータで見る「購買プロセスにおける購入検討開始のタイミング」

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自社商品のプロモーションをより効果的なタイミングで行う上で、「消費者はいつから購入検討を始めるのか」を知ることは非常に重要です。そのためには、商品の購入者に対して「いつから購入を検討し始めたか」とアンケートで聴取する手法が一般的ですが、回答者が意識していない行動について聴取することは困難です。

そこで、Yahoo! JAPANでは、保有する膨大な検索ログデータを活用した分析を行いました。まず、「購入の検討を始める」という行為を「商品に関する情報収集を始める」と再定義し、「商品の関連キーワードの検索を始めた時期」と明確に位置づけました。

こうすることにより、実際に「検索」という行動に表れる商品購入の検討開始時期を知ることができると考えたからです。そして、一般的なアンケートの結果にあるような消費者が意識している購入検討の開始時期は、関連キーワードの検索の開始時期とどの程度一致しているかを検証してみました。

【調査対象】
「自動車」を購入した人

    【調査手順】
  1. アンケートにより1年以内に自動車(新車または中古車)を購入した回答者をスクリーニング
  2. スクリーニングされた回答者に対して、アンケートを行い商品購入の検討を始めたのは購入の何カ月前か(以下「購入検討開始時期」)を聴取
  3. アンケートの回答者ごとに、検索ログデータから自動車に関する検索を開始したのが購入の何カ月前か(以下「検索開始時期」)を算出

自覚している購入検討を始めた時期と実際に関連キーワードの検索を始めた時期には差がある!

調査では、比較的購入検討の期間が長い自動車を購買対象の商品として選択し、過去1年以内に自動車を購入した人をサンプルとしました。

調査の結果、アンケートデータでは、約7割が購入前の4カ月以内に購入を検討開始すると回答しているのに対し、検索ログデータでは、購入前の4カ月よりもさらにさかのぼった時期から検索を開始している人が多くいることがわかりました。(図1)

図1 購入前の各時期とその時期が「購入検討開始時期」・「検索開始時期」である回答者の数
購入検討開始時期は購入の6ヶ月前から増加し、検索開始時期は1年前から右肩上がりで増加し、購入5ヶ月前を頂点に右肩下がりとなる

※グラフはスムージング(補正)を施しています
出典:Yahoo! JAPAN調べ(2014年10月)

つまり、「アンケートによる商品の購入検討開始時期」と「検索ログデータによる商品の関連キーワード検索開始時期」は必ずしも一致していないということが明らかになったのです。実際には購入後に振り返って回答する検討開始時期よりも早い時期から検索を開始していることから、従来のプロモーションのタイミングを繰り上げるなど、プランを再検討することでより多くの見込み顧客にアピールし、購買につなげることができるかもしれません。

今回は自動車を購入した人を対象としましたが、消費者行動については他の商材に関しても似たようなケースが散見されます。つまり、客観的に消費者の行動を示すデータを活用することで、より細やかで無駄のないマーケティング活動を行うことができるのです。

Yahoo! JAPANでは今回のように検索キーワードを利用し、そのインターネットユーザーがYahoo!ニュースやYahoo!知恵袋などのページを訪れた際に広告を配信することができる「サーチターゲティング」、広告主様の持つデータとYahoo! JAPANが持つビッグデータを掛け合わせて潜在顧客層を発見し、適切なタイミング・チャネルでのメッセージ伝達が可能となる「Yahoo! DMP」で、データを利用したアプローチをすることができます。

データは活用しなければ、何の価値もないものになってしまいます。訴求対象に適切なタイミングでアプローチするためにデータを収集し活用することが、今後より重要になってくるでしょう。

著者プロフィール

菊池 拓(キクチ タク)

2009年4月ヤフー株式会社に入社。エンジニアとしてYahoo!不動産のPCサイト・スマートフォンサイト・スマートフォンアプリの開発に携わった後、アクセス解析を活用してサイト改善やSEOを行う。現在、マーケティングソリューションズカンパニーマーケティング本部リサーチアナリシス部にて、広告やインターネットユーザーに関する調査・分析を担当。

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