マーケティング戦略

購買フェーズでこんなに違う! 検索キーワードが示すニーズの変化

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2015年2月にYahoo!マーケティングソリューションブログにて公開した記事「Yahoo! JAPANの検索ログデータで見る『購買プロセスにおける購入検討開始のタイミング』」において、消費者が“商材の購入検討を始めた時期”と、実際に“商材に関するキーワードによる検索を始めた時期”には差があることを紹介しました(図1)。

図1 購入検討開始と検索開始のタイミング
購入検討開始時期は購入の6ヶ月前から増加し、検索開始時期は1年前から右肩上がりで増加し、購入5ヶ月前を頂点に右肩下がりとなる

※グラフはスムージング(補正)を施しています
Yahoo! JAPAN調べ(2014年10月)

では、実際に購入を検討し始めた人たちは、検索を通してどのような情報を必要としていたのでしょうか。今回は、新車を購入した人が“購入検討を始めた時期”から“購入直前”にかけて実際に検索していたキーワードに注目し、その検索内容がどのように変化するかを分析しました。

<調査対象>
調査時点からさかのぼって1年以内に新車を購入した20代以上の男女515人
※今回の調査対象者は男性の割合が高く、特に40代~50代男性が全体の5割強を占めている

<調査手法>
1. アンケートにより、新車を購入した時期を聴取
2. 購入時期ごとにアンケート回答者が検索したキーワードを調査
※「購入検討開始時期」は、「自動車の関連キーワードを検索し始めた時期」と定義する

<調査期間>
2015年9月1日~2015年9月30日

まず、新車購入においては、「購入検討開始時期」と「購入直前」に自動車関連のウェブサイトや車名、車種、メーカー名、パーツなど自動車に関連するキーワード全般の検索が増加することがわかりました(図2)。

図2 「自動車」に関連するキーワードの検索度合い

次に、「購入検討開始時期」と「購入直前」に実際に検索されていた特定の車名や車種に関するキーワードについて、自動車の価格帯ごとに「高級車」「中級車」「大衆車」の3つに分類し、それぞれの時期における検索割合を見てみました。すると、「購入検討開始時期」に検索されていたキーワードは「高級車」「中級車」「大衆車」の順に割合が高いのに対して、「購入直前」になると逆転し、「大衆車」「中級車」「高級車」の順に関連情報を検索される割合が高くなっていました(図3)。


図3 車種別検索比率の割合
前段の説明の通り。大衆車は220万円以下、中級車は221万円以上419万円以下、高級車は420万円以上輸入車を含む

さらに、インターネットユーザーが検索している「車載ワンセグチューナー」「ドライブレコーダー」「ETC」などのパーツ・カー用品関連のキーワードを「購入検討中」と「購入直前」に分けてデータを集計すると、次のような傾向が明らかとなりました。

購入検討中

・購入を検討するようになると、自動車のパーツ・カー用品に関する検索を一時的に止める(図4)。

図4 パーツ・カー用品関連キーワードの検索数推移

・メーカーを検討してから、車種を検索する場合が多い(図5)。

図5 「メーカー」および「車種」関連キーワードの検索数推移
メーカーを検索する時期のほうが車種を検索する時期よりも早い

購入直前

・購入直前には、「自動車ローン」に関連するキーワードの検索が増加する(図6)。

図6 「自動車ローン」関連キーワードの検索数推移

以上からわかるように、新車購入検討者は、「購入検討開始時期」「購入検討中」「購入直前」の3段階において求めている情報が異なっています。つまり、段階を経て総合的に情報を集めた上で、実際の購入に至っているのです。このようなプロセスに対応するためには、それぞれの段階に合った訴求を行うことが重要です。例えば、購入段階が近いと思われる、車種やローンを検索している人に対しては、購入キャンペーンを強調し、自動車のメーカーに関する検索をしている人に対しては、車種に興味を持たせるような内容をアピールするなど、インターネットユーザーの購入プロセスに合わせた工夫が必要となるでしょう。

車に限らず、購入までの検討期間の長い高額商品については、そのプロセスに注目し、サーチリターゲティングなどで、各フェーズにおけるニーズに合った訴求内容にすることで、広告効果を上げることができるのではないでしょうか。

著者プロフィール

田中 祐介(タナカ ユウスケ)

学生時代の研究テーマはオペレーションズリサーチ。2009年度ヤフー株式会社新卒入社。データソリューション開発部にて行動ターゲティング広告・レコメンデーションのシステム開発・アプライドサイエンスに従事。2013年度からレコメンデーションサービスに特化しECサービス・キュレーションサービスでモデル開発・システム開発・サービス運用と幅広い業務を担当。2014年度から、リサーチアナリシス部にて広告のデータ分析を担当。

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