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【解説】リキッドコンシューマー

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昨今のメディア環境の変化により、消費者の行動も変化している。スマートフォンやパソコン、スマートテレビなど、いくつものスクリーンを行き来し、動画を見たり、ニュースを読んだりして情報を消費している。進化した消費者たちは、自分の気持ちのおもむくままに、さまざまなデバイスやメディア、チャネルの間を移動し、欲しい情報を入手しているのだ。

そんな移り気でとらえどころのない消費者のことを、液体や流体を意味する「リキッド(liquid)」を冠した、「リキッドコンシューマー」と呼ぶ。彼らにどうリーチするのかがメディアやマーケターにとっての大きな課題となっている(*1、*2 、*3)。

これまでのように特定のサイトやメディアを通じてコンテンツを発信し続けても、彼らに適切にリーチできない。そこで必要になるのが、“リキッドクリエイティビティ”だ。つまり、「いつでも、どこにでも出現し、消費者の耳目を引くコンテンツやメディアをつくり、提供し続けることが重要」と言えるのである。

また、リキッドコンシューマーを提唱した米国インタラクティブ広告業界団体IAB(The Interactive Advertising Bureau)がまとめた白書「Digital Advertising Audiences: The New‘Liquid Consumer’Paradigm」によれば、メディアやマーケター、広告エージェンシーがリキッドコンシューマー(消費者の流動化)という新たなパラダイムに対応していくためには、留意すべきポイントがいくつかあるという。IABでは、それを「5つの提言」としてまとめている。

リキッドコンシューマー時代 メディア&マーケターに向けた“5つの提言”
IABからのリキッドコンシューマーを捉えたいと考えるマーケター向け提言は、1.観客の定義は常に進化させなかければならない、2.ソーシャルとモバイルは重要だが、この二つが包含する広い意味やニュアンスに対する理解なしには成功できない、3.消費者とつながるためには、コンテンツへの巧みなナビゲートが必須4.従来型のKPIと標準的メトリクスに対する固執は自社のファン基盤を構築していく上での妨げになる、5.マーケティングとコンテンツの境界線が消えてすべての成否がストーリー次第で決定づけられつつある

Snapchat、Facebook、SNSプロバイダーの挑戦

リキッドコンシューマーに対するコンテンツのリーチ力を高める試みは、一部の先進的なデジタル企業の間ですでに始まっている。一例が、テキスト・動画・画像を最大10秒まで共有できるSNS「Snapchat(スナップチャット)」だ(*4)。

彼らのサービスは創業以来常に変化し、拡張されており、創業時のサービスにプラスして、「stories」という24時間限定で友人にコンテンツを公開できるサービスを始動させ、その後、storiesの企業版とも言える新サービス「Discover」を開始している。Discoverは、雑誌『People』や『Cosmopolitan』、オンラインメディア『BuzzFeed』や『Daily Mail』、テレビ局・CNNテレビ(CNN)といった著名メディア会社のコンテンツを24時間限定で閲覧できるサービスだ。このなかに動画広告などを掲載し収益を上げている。

またFacebookも、リキッドコンシューマーに対しコンテンツのリーチ力を高める取り組みを推進しており、最近では「Facebook Instant Articles」というサービスを立ち上げ、Facebookのタイムラインにメディアが直接ニュースを流せるようにした。

こうした取り組みに共通するのは、消費者の行動データの活用である。具体的には、セグメント化された消費者の行動データに基づきながら、リキッドコンシューマーに対するコンテンツの“ファーストアプローチ”を試みているのである。これは、リキッドコンシューマーに対するコンテンツマーケティングの基本戦略として、今後もさまざまな広がりを見せていくはずである。

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