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【解説】ルックアライク

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「ルックアライク(Look-alike)」とは、ある顧客層と類似した消費傾向や行動様式の消費者に対して広告を配信するマーケティング手法を指す。特に既存の顧客に似通った新たな顧客を得るために活用されることが多い。

従来、この手法が応用できるのはオンラインメディアに限定されていたが、ケーブルテレビ(CATV)が普及している米国などでは、「Addressable TV AD(アドレス可能テレビ広告)」と呼ばれるセットトップボックス(STB:テレビに取り付けさまざまな機能を追加するもの)を利用したターゲティング広告が一般化しつつあり、その中でルックアライク手法の応用も広がりを見せている(*1)。

ルックアライク手法の考え方は「自社の優良顧客に似た特性を持つ消費者は自社の顧客になる可能性が高く、そうした消費者にねらいを定めて広告を打つことで、不特定多数の“マス”に対して広告を打つよりも、はるかに効率的に新規顧客が獲得できる」と極めてシンプルだ。

消費者の行動ターゲティング技術の進化により、膨大な消費者の行動プロファイルを取得し、自社の顧客に類似した候補者を特定できるようになった。これによりマーケターは、広告配信のターゲットを絞り込みながら拡張し、新規顧客の獲得や広告のCVR(コンバージョン率)を高めていくことが可能となっている。

例えば、自社の顧客をLTV(Lifetime Value:顧客生涯価値)の大小によってセグメント化し、それぞれと類似した消費者の一群(ルックライク・オーディエンス)を行動プロファイルに基づき特定する。そのうえで、各オーディエンスに向けた広告セットを用意し、配信するようにすればマーケティングのROIは高まる可能性が高い。

ルックアライク手法によるターゲット拡張を表した図。各レンジから元のターゲットを除いたオーディエンスに施策を展開するのが一般的とされている

1%~10%レンジのルックアライク・オーディエンスは入れ子構造としてとらえ、それぞれのレンジに対して適切な広告セットを用意し、施策を展開するのがルックアライク手法の一般的な方式とされている

ルックアライクの手法では、ルックアライク オーディエンスを、自社顧客との類似性に基づき「1%」から「10%」のレンジに分けるのが一般的とされている(*2)。このうち「1%」のオーディエンスは、自社の優良顧客と最も似通った属性・特徴・行動様式を持った消費者であり、「10%」のオーディエンスは、優良顧客との類似性が最も低い消費者の一群だ。言うまでもなく、1%から10%のレンジの中でパーセンテージが上がれば上がるほど、オーディエンスの絶対数は増えていくことになる。

このようなかたちでルックアライク・オーディエンスをセグメント化し、それぞれのセグメントに合わせた広告を打つようにすれば、適正なコストでより多くの新規顧客を獲得したり、広告のCVRを高めたりできるようになる。

ルックアライクが持つ課題

もちろん、ルックアライク手法に課題がないわけではない。例えば、自社の顧客と他の消費者との類似性やその高低を決める指標・ロジックが曖昧であったり、不透明であったりするケースは少なくない。また、自社の顧客のどの特性がそれぞれのLTVの大小に関係しているかを見定めておかないと、ルックアライク・オーディエンスの絞り込みが間違った方向に進むおそれもある。ルックアライクの手法を実践するうえでは、この辺りの課題を踏まえたうえで、施策のPDCAを回していくことが重要と言える。

成果を上げるルックアライクのサービス

ルックアライク手法の応用に取り組む企業は少なくない。なかでもFacebookはルックアライク・オーディエンスに対する広告配信のサービスを提供し、すでに多くの成果を上げているという。Facebookのルックアライク・オーディエンスのサービスを用いることで、年齢・性別、趣味・関心・興味、あるいは居住地域などでセグメント化されたFacebookユーザーのなかから、自社の顧客と類似しているユーザーを選び出し、広告を配信することができる。これにより、例えば、スマートフォン向けのフリーマーケットアプリを展開するメルカリは、新規顧客獲得数の60%増、Facebook広告CVRの8%増、アプリCPI(コスト・パー・インストール)の20%減といった効果を得ているという(*3)。

また、ニュースキュレーションサービスを提供するSmartNewsでも、広告主が持つさまざまなユーザー情報を活用した広告配信「ユーザー定義オーディエンス」機能の中で、ルックアライク・ターゲティングによるオーディエンス拡張サービスを提供している(*4)。

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