マーケティング戦略

ユーザーデータはいらない!?  C CHANNELが描く動画マーケティングの未来形[後編]

記事内容の要約

  • 女性ならではの映像づくりでコアユーザーに響くコンテンツを実現
  • 「尺は1分、ワンコンテンツ・ワンテーマ」でポイントを絞る
  • データに頼らず「効果の高い動画広告」を実現するノウハウを蓄積
  • はてなブックマーク
  • follow us in feedly

この記事の前編を読む

C CHANNELのHow to動画の特徴は、「自分もやってみたい」と、ユーザーの行動を促すことにある。広告主がC CHANNEL の動画広告に期待を寄せるのも、ユーザーの行動を喚起するコンテンツ力を評価しているからだ。同社ではこのHow to動画広告の訴求力を高めるため、「コンテンツとメディアの質・価値の向上」という目標を掲げており、ユーザーに人気の高い動画の成功パターンを洗い出しているという。その3つのポイントを紹介する。

1. 女性ならではの感性で視聴者にリーチ

2015年にスタートした動画ファッションマガジン「C CHANNEL」(*1)の強みは、掲載されているHow to動画を視聴したユーザーに「自分もやってみたい」と、行動を促すことにある。この強みを生かしたのが、How to動画を基にした動画広告コンテンツだ。

出典:BBQの季節!野外でチーズフォンデュはいかがですか?^^

この「自分もやってみたい」と行動を喚起する良質な広告を実現するため、森川氏が力をいれているのが、コンテンツの質とC CHANNEL自体の価値向上施策だ。そのポイントは、大きく3つに分けられる。

第一に、20〜34歳の女性をターゲットにしているという特性上、映像制作においても女性ならではの感性を大切にしていることだ。動画を発信するクリッパーをはじめ、制作チームは、協力会社のスタッフもいれて30〜40名の女性で構成されている。映像業界は基本的に男性中心といわれているが、女性ならではの感性を重視し、映像づくりに生かしている。これが女性に人気の動画コンテンツを撮るコツだ。

2. 「尺は1分、ワンコンテンツ・ワンテーマ」が成功の鍵

第二に、動画の再生回数などを基に分析して見えてきた、人気の高いコンテンツの“成功パターン”を制作に反映することだ。

成功パターンとは何か。まず、モバイルでの視聴がメインであるため、動画の長さ(尺)は1分程度が最適ということがわかってきた。

内容を絞ることも重要だ。たとえばメークにしても、「5分でできるフルメーク」より「1分で目を大きくする方法」など、伝える内容を絞った方が人気が高いことがわかってきた。これを同社では「ワンコンテンツ・ワンテーマ」と呼んでいる。

実際、「ヘアピン1本でやるヘアアレンジ」というコンテンツで、3つのコツを紹介したところ、視聴数が伸び悩んだ経験もあったと編集長の山崎氏は話す。このワンコンテンツ・ワンテーマは、広告用のHow to動画にも生かされており、商品の特長を動画で表現する際にも、ワンコンテンツ・ワンテーマを徹底しているという。さらに、1つのコンテンツに1つのテーマを徹底すると、尺もちょうど1分ほどになるというメリットもある。

森川氏によると、短い動画が好まれるようになった背景には、FacebookやTwitterなどのソーシャル動画の流行も一因だという。長々と解説されるよりは、要点をかいつまんだ、短いコンテンツの方が人気で、ポップでかわいい雰囲気が伝わるものがシェアされやすく、見る方も気軽に視聴できる。

そこでC CHANNELでは、C CHANNELプラットフォーム以外に、FacebookやTwitterのアカウントを通じてHow to動画広告を配信するプランも企画中だ。

3. テレビ局との協業でさらなる価値向上を

そして、第三として森川氏が描いているのはテレビ局との協業だ。C CHANNELは2016年4月に、TBSテレビを引受先とした第三者割当増資を実施している。これは「C CHANNELの持つ20~34歳へのリーチ力、スマホに最適化されたコンテンツ力と、TBSが持つテレビコンテンツで培った企画力や表現力、コンテンツ力とを合わせ、動画コンテンツのさらなる価値向上を目指します」(森川氏)とのことで、最終的にはTBSが持つ物販を含めたビジネスとの融合も考えているという。

両社の協業により、動画プラットフォームにとってはメディアの価値向上につながるというメリットが、そしてテレビ局にとっては、テレビではリーチできないネットユーザー層にコンテンツを届けられるというメリットが生まれる。

さらに今、期待されているのがC CHANNELの世界展開だ。サービス開始時から「世界に通用する動画メディア」を目指してきた同社は、2016年5月現在ですでに中国、台湾、タイに進出を果たした。「日本の女性はアジアではトップクラスにおしゃれ」と山崎氏が言うように、それぞれの地域で日本のコンテンツを届け、現地の女性が発信する「かわいくなる」ノウハウを伝えるほか、海外のECサイトとの連動も視野にいれ、ビジネスを展開していく。

オフィスには、ターゲットユーザーに近い女性スタッフが数多くおり、ユーザーに近い立場で動画制作を行っている

山崎ひとみ氏、森川亮氏とC CHANNELスタッフ

日本からアジア、アジアから世界へと、C CHANNELの発信力は今後もますます広がっていく。こうして膨大なユーザーを獲得し、そこから得たデータを有効活用する段階へと、歩を進めていくそうだ。

前編を読む | 後編を読む

注釈:
(*1)C CHANNEL(外部サイト)

プロフィール

C Channel株式会社 代表取締役社長 森川 亮氏

1989年筑波大卒。日本テレビ、ソニーを経て2003年ハンゲームジャパン(現LINE株式会社)入社、2007年社長。2015年3月、同社代表取締役社長を退任し、アドバイザーとして顧問に就任。2015年4月にC Channel株式会社を立ち上げ、代表取締役社長を務める。

C Channel株式会社 編集長兼チーフプロデューサー 山崎 ひとみ氏

2007年サイバーエージェント入社。「アメーバピグ」チーフプロデューサーを経たのち、アメーバ事業本部スマートフォンDivisionの立ち上げに参画。2014年、女性向けキュレーションメディアby.S編集長に就任し、2015年12月よりC Channel株式会社に参画。現在は編集長兼チーフプロデューサーを務める。

  • はてなブックマーク
  • follow us in feedly

Insight for Dの
ページにいいねしよう!

「いいね!」してInsight for Dの最新情報をチェック

Yahoo! JAPANのデータソリューションについて

Yahoo! JAPANのデータソリューションについて

Insight for Dの公式Facebookページ、Twitterでも最新情報や取材の様子を発信中。