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【解説】APIエコノミー

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API(Application Programming Interface)とは、あるソフトウエアの機能やデータを、外部のプログラムから呼び出して活用するためのしくみだ。他社のプラットフォームの機能を自社のアプリケーションに組み込もうとした場合、一からプログラミングすると手間がかかる。そうした手間を省くためにプラットフォーム側の企業が提供しているインターフェースのことを指す。

よく知られているのがGoogleのAPIだ。このAPIを用いることで、Googleのマップやカレンダーの機能をウェブサイトに組み込んで利用できる。

そして近年では、自社開発のソフトウエア(サービス)のAPIを外部の企業に向けて公開し、自社のサービスを他社のサービス経由で利用させる動きが活発化している。オープンなAPIによって自社のビジネスと他社のビジネスをリンクさせ、新たな価値を創出する、あるいは、新たなビジネスモデルを構築する経済活動を「APIエコノミー」と呼ぶ。また、APIを中心として形成される経済圏を指して、APIエコノミーと呼ぶこともある。

機能の連携によりサービスの利便性を高める

企業が他社のAPIを利用するメリットは、一からプログラムを開発するのに比べて、費用や手間が大幅に圧縮できる点が挙げられる。また、APIを他社に利用させる側も、外部のアイデアやリソースを使って、自社サービスの機能や守備範囲が広げられるという利点がある。IBMは、自社のクラウドプラットフォームを土台にしながらAPIエコノミーの拡大に熱心に取り組む企業のひとつだが、同社の試算によれば、APIエコノミーのグローバル市場規模は2018年までに2.2兆ドルに拡大する(*1)と予測している。

たとえば、タクシー配車サービスのUber(ウーバー)(*2)とローカルスポット推薦サービスのFoursquare(フォースクエア)(*3)との連携では、お互いのサービスにそれぞれのAPIが組み込まれている。これにより、Foursquareのユーザーは、スポットへの移動時にUberの配車サービスが簡単に利用できる。またUberのユーザーは、行きたいスポットの住所をFoursquareから引き出してアプリ上で提示できる。

Foursquareではさらに、オンラインレストラン予約サービスのOpenTable(オープンテーブル)のAPIも組み込まれており、ユーザーがシームレスにレストラン予約ができるようになっている。

APIを起点とした各サービスの連携

FinTechの領域にも波及

APIエコノミーは「FinTech(フィンテック)」、つまり「IT+金融」の領域にも波及している。たとえば、顧客の口座データなどを外部のサービスから参照可能にするAPIを提供し、FinTech企業との協業の輪を広げる銀行が出現してきている。

NTTデータは2016年4月から、金融機関による共同利用型インターネットバンキングサービス「AnserParaSOL」のAPIをFinTech企業向けに提供している。このAPIについては、自動家計簿・資産管理サービスを提供しているマネーフォワード社がすでに採用を決め、静岡銀行の顧客に向けたサービスの提供に乗り出している。さらにマネーフォワード社では、自社ソフトウエア(マネーフォワード)のAPIも公開し、新たなサービスの創出に取り組んでいる。

自社だけの力では生み出すことができない革新的なサービスを他社との協業を通じて創出していく──。APIエコノミーは顧客満足度を高めるための一手として、あるいは市場開拓のための新たな潮流として、多岐に広がっていくことが期待されている。

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