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【解説】インスタント・グラティフィケーション(Instant Gratification)

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インスタント・グラティフィケーション(Instant Gratification)とは、直訳すると「瞬間的(Instant)な満足(Gratification)」「すぐに得られる喜び」という意味だが、マーケティングの文脈でとらえると、「欲しいと思ったときに、いますぐそれを得たいと思う消費者欲求」を指している。つまり、消費者の「見たい」「知りたい」「読みたい」「食べたい」「聴きたい」といった欲求のことである。

人は元来、「欲しいモノを欲しいときに手に入れたい」という願望を持っている。そして今日、その願望を満たすまでに人が我慢できる時間がより短くなっているとされる。マイクロソフトカナダがカナダ人2000人を対象に実施した調査(*1)によると、人の注意力が持続する時間は2000年では「12秒」だったが、2013年には「8秒」にまで縮まったという。同調査で比較対象として挙げられている金魚の注意力は「9秒」だそうだ。

前述の内容を表した図

人の注意力の持続する時間は金魚以下となってしまったという調査結果が出ている
Microsoft Advertising「Attention spans」(*1)

こうした変化の背後には、スマートフォンやソーシャルメディアの普及がある。今日、人はスマートフォンで絶えずだれかとつながり、ソーシャルメディアでは常にビデオや写真、あるいは他者が「今なにをしているか」の情報がアップロードされる。そしてフォロワーたちは、アップロードされたコンテンツに即座に反応したり、ツイートしたりしている。つまり、現代人の多くが、待つことなく情報がアップデートされ、思いがすぐに満たされる日常を送っているわけだ。

結果として、欲しい情報を入手したり、共有したり、意見を発信したりするために長時間待たされることを極度に嫌うようになっているのである。

「すぐになにか与える」ために

では消費者に対して、企業はどのような手段で情報を提供すればよいのだろうか。

まずなすべきは「すぐになにかを与えること」──。つまり、消費者の要求に対して即座にリアクションをとることである。もちろん、一度インスタント・グラティフィケーションに慣れたユーザーは、その後もすばやいレスポンスを求め続ける。したがって、インスタント・グラティフィケーションを踏まえた施策を展開するのであれば、以下のような行動からはじめてみることが大切だ。

消費者の要求に対して有効な5つのリアクション
注意力が低下している消費者に対して有効なアプローチは、必要な情報にすぐにアクセスできる環境を整えること、ダウンローで提供できるものはすぐにダウンロードできるようにしておくこと、オンラインでサービスを提供すること、メールやメッセージの返信をすぐ行なうようにすること、チャットや電話での連絡が取れるようにしておくことの5つ

出典:Entrepreneur「The Psychology of Instant Gratification and How It Will Revolutionize Your Marketing Approach」(*2)

もし、これらの対応が難しいのであれば、消費者や顧客に対して、「申し訳ありません。われわれはすぐには対応できません」とのメッセージを出すべきだろう。そのほうが消費者や顧客に与えるストレスは小さくなるからである。

情報ニーズを即座に満たすInstant Articles、ライブドアニュース

注意力散漫な顧客の欲求を満たすためには、顧客が期待している情報体験を見抜き、再現する想像力やシステムが必要だ。

たとえば、Facebookでは、2015年からニュースフィードのなかに「The New York Times」や「BuzzFeed」といったパブリッシャーのオリジナルコンテンツをすばやく表示する「Instant Articles」機能を提供している。これによって消費者は、欲しい情報へのリンクをクリックして当該のウェブページがロードされるまで待つ必要がなくなった(動画参照)。

出典:TechCrunch「Facebook Launches Instant Articles」

また、「ライブドアニュース」(*3)では「ざっくり言うと」という機能を提供している。これは、記事ページの冒頭にその記事の要約が3行で表示され、本文を読まずとも記事の概要を理解できる機能だ。

このように、情報体験の質に「スピード」が大きく関わっていることを加味したうえでサービスを提供することが求められはじめているのである。

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