マーケティング戦略

People Based Marketing(ピープルベースドマーケティング)が実現するシームレスな消費体験

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マーケティング担当者ならば「消費者が何を求めているのか?」と考えない日はないでしょう。また、その問いに対する答えが簡単だったとしても、実際求められるものを提供するとなると、難易度は高くなるものです。

今日、消費者がブランドを評価するうえでは、商品の金額や品質などよりも、実体験のほうが重要になっています。顧客満足度計測プロダクトを提供している米Cloud Cherry社のリサーチ(*1) によると、ブランドスイッチの要因として「商品の品質」を挙げた消費者は13%に過ぎませんが、「サービスへの不満」を挙げたユーザーは69%にものぼります。さらに、アクセンチュアによると(*2) 、ブランドスイッチしたユーザーのうち82%は、企業側がもっと良いサービスや体験を提供できれば乗り換えなかったかもしれない、と答えています。

企業側は、常に変化している消費者の行動に対してシームレスに対応していかなくてはなりません。言い換えれば、複数の異なるデバイスや、オンラインとオフラインをまたいだ消費者のデータを統合し、それぞれの顧客に応じた消費体験を提供することが望ましいといえます。シームレスな体験は、企業と消費者に存在するすべての接点の中心に消費者の存在を据えるので、彼らの消費行動における障害を取り除き、エンゲージメントを維持できるのです。

ここで、引っ越しを終えた女性が新しい椅子を買う場合を想定してみましょう。例えば彼女は朝の通勤時間帯にスマートフォンでいろいろな椅子を見比べた後、購入のために自宅でパソコンを開き、朝見たECサイトに再度訪問します。するとECサイト側では、午前中スマートフォンで閲覧された履歴をもとに閲覧者を認識し、彼女が閲覧した商品を表示させます。このことは、単に誰かがオンラインで椅子を買って店舗で受け取る、という事実を意味するだけではなく、商品購入後に、おすすめ商品やセール品などを顧客向けに紹介したメールが届くということも含んでいるのです。

このような連続性のある消費体験を提供できない企業においては、消費者がフラストレーションを抱えてしまうリスクが存在しています。上記のケースにおいて、午前中にこの女性がスマートフォンで見た商品をパソコンで見つけられなければ、決して良い消費体験とはいえません。つまり、消費者の求めるものを企業側が提供できていないのです。既存の技術では、ユーザーのログインがない場合、連続した体験を提供できません。シームレスな消費体験は一晩でできるものではないのです。しかしながら、顧客をよりよく理解でき、デバイスをまたいで顧客ごとにカスタマイズされた顧客体験を提供できる考え方であるPeople Based Marketingでは以下の様な形でシームレスな顧客体験を可能にします。

1. ファーストパーティーデータの活用

ファーストパーティーデータ(*3) の活用は、シームレスな顧客体験を実現するうえで必要不可欠な要素の一つです。People Based Marketingは企業が自社の顧客データを収集するだけでなく、それらのデータをさまざまに応用できる永続的な顧客のプロファイルにできます。このことにより、企業はそれぞれの顧客がいつ、どこで、どのように商品を購入したのかを理解できることにつながります。

2. 複数のツールによらない顧客体験の把握

首尾一貫した消費体験を提供するうえで最も大切なことは、消費者の視点をきちんと把握することです。ファーストパーティーデータを扱うことで、チャネルはデバイスを超え、企業は消費者の購買活動についてより深い理解を得られます。Experian社のリサーチ(*4) によると、97%の組織(企業)が一つのダッシュボードで消費者を把握する機能に関心があると答えていますが、マーケティング担当者の81%はいまだその実現に悪戦苦闘しているという現実があります。People Based Marketingは、デバイスをまたいだ顧客接触を点ではなく線としてつなぎあわせ、何度デバイスを変えてアクセスしてもストレスのない顧客体験を実現します。

3. 大規模なパーソナライズ化

企業として単一のダッシュボードで消費者の把握ができると、次に可能になることは、それぞれの消費者の関心事に最適化した企業と消費者のコミュニケーションの実現です。AgileOne社によると(*5) 、米国では79%以上、イギリスにおいても70%もの消費者がオンラインでの購買において、最適化された消費体験の提供を望んでいます。また、日英両国において50%以上の消費者が、サイト利用時にECサイトで過去の購買を反映してほしいと考えています。これらは、それぞれの顧客体験の最適化がどれだけ価値があるかを示しているといえるでしょう。

シームレスであることはもはや特殊なことではなく、消費者が自分の大好きなブランドに対して普通に期待することです。実際、Aspect社のレポートによると、消費者に対して継続的なオムニチャネル戦略を実現した企業においては、年単位での顧客維持率が実施前と比べて91%改善したという実績があります。この事実だけをとっても、People Based Marketingは企業の将来について最も重要な投資といえるのではないでしょうか。

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