デジタル広告

プログラマティック広告の今後:マーケターが知るべき5つのトレンド

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プログラマティック広告は、インターネット広告在庫をより効率的に売買する手法として、世界中で成長し続けています。米国においてはすべてのディスプレイ広告における予算消化のうち、67%がプログラマティック経由となっており(*1)、世界規模では2017年には合計646億ドル(約6兆5千万円)がプログラマティック広告に投下されると予測されています(*2)。

しかしながら、自動化によって広告表示単価(CPM)は低減するものの、マーケターが最終的なゴールとしている、適切なタイミングで消費者のエンゲージメントを実現するという点においては、いまだに課題が残っているといえるでしょう。広告やデータの品質、クロスデバイス配信やアドブロッキングといった超えるべきハードルが、広告を理想通りに配信することを妨げているのです。

日常絶え間なく複数のデバイスを使う消費者は、マーケターにとってターゲティングすることが難しい存在です。プログラマティック広告は低い単価で広告を表示することに強みを発揮してきましたが、広告主は、より精度の高いターゲティングやクロスチャネルでのユーザー捕捉、そして適切な範囲の単価でベストな品質の広告表示を求めています。

このような傾向によりマーケターは、既知のユーザーに対していつでもどこでもリーチできる、高い精度のデータへと関心を寄せ始めています。それらのデータは、個々に向けたきめ細やかな対応を期待する消費者に対して広告を表示する際に、有効なものだからです。

このような状況から、今プログラマティック広告は、一つの岐路に立っているといえるでしょう。以下に挙げる5つのトレンドがまさにそのことを表しています:

1. プログラマティック広告においてPeople Based Marketingがシェアを拡大

「人」をベースに広告を配信する技術は、Cookieやデバイスを用いたターゲティングとは異なり、広告主が持っているさまざまなデータをターゲティングに活用することを可能にしました。マーケターは、無駄な予算消化を削減したり、広告の配信ボリュームや表示頻度を改善したり、広告媒体をまたいだ効果計測やアトリビューション分析をより正確に実現したりといった日々の努力を通して、顧客が生み出すデータを活用したターゲティングについて、その効力を認識し始めています。

「人」をベースに広告配信する技術を活用すれば、自社のデータを「顧客らしき人」ではなく「実際の顧客」に対してリーチするための資産として利用できます。弊社が今年の初頭にブログ(*3)で紹介したように、82%のマーケターは、自社の顧客やブランド資産から取得されたデータの活用を進めていくと答えています。これはサードパーティーのデータ(第三者によって集められた過去のデータ)よりも、ファーストパーティーのデータ(自社によって集められる、顧客が生み出すデータ)の利用に重きを置いているといえるでしょう。

参考記事:People Based Marketing(ピープルベースドマーケティング)が実現するシームレスな消費体験

2. 広告主は広告在庫の品質により敏感に

プログラマティック広告の成長に伴い、ビューアビリティや広告詐欺といった問題についても関心が高まっています。そのため広告主にとっては、広告がより適切な場所に掲載されているか確認することが重要になりつつあります。これらの問題に対応するために、さまざまな業界の垣根を越えた努力や新しい検証への取り組みが、至るところで見られるようになってきました。

そして、オープンな広告取引の問題は、広告主と広告媒体の直接取引ともいえるPrivate MarketplaceとHeader Biddingの人気を押し上げることになりました。直接取引が自動化されることで、広告主は最も品質の高い広告在庫を購入する際に、貴重なデータを活用によって起こるトレードオフをなくすことができます。

3. リアルタイム性こそが重要

常に何かにつながり複数の画面を使っている消費者を引きつけるには、デバイスの使い分けを認識し、彼らのリアルタイムな行動において購買の意識が高まった瞬間をとらえることが必要です。つまり刻々と変わる消費者の意識やニーズを捉えなくてはならないので、マーケターはデータの収集やつながりについて新たな見方をするようになるでしょう。

ところが、バッチ処理ではそのような現在のマーケティングには対応できません。キャンペーンを適切なメッセージングとターゲティングにより最適化するためには、デジタルでのタッチポイントすべてを捉え、それらをCRMやPOSデータなどのオフラインデータを含む消費者自身のデータとひも付けられる技術が必要です。

4. より親密でパーソナルな広告の展開

広告ブロックの普及と消費者がデバイスを使い分ける傾向の中で、ファーストパーティーのデータを活用して消費者に広告を表示することは、そんなに大きな問題ではありません。しかし一人ひとりの消費者の嗜好(しこう)や欲求に合うように広告表現を仕立て上げることは、また別の話です。

デジタルマーケティングの世界においてデータを有効に活用することは、ますます重要視されています。たしかにデータに基づきパーソナライズされた広告表示を実現できるのはまだ先のことかもしれませんが、消費者のデータに重きを置くことは、消費体験を改善することこそあれ、妨げるものではありません。今日の技術はウェブサイトの表示速度を遅くすることなくユーザーのデータを収集することを可能にしていますし、複数のデバイスをまたいだ広告表示回数の最適化や消費体験の改善をより簡単にしています。

5. プログラマティック広告の表示機会の拡大

リッチメディアやデータに基づいた、ターゲティングの紛れもない効率性の高さにより、プログラマティック広告はもはやデジタルディスプレイの世界だけにとどまらなくなっています。モバイルやテレビ、そしてネイティブ広告に至るまで広告の表示形式や表示される画面のすべてにわたり、広告主は消費者がどこにいようともつながることができるようになります。

eMarketerのレポートによれば、2016年に米国の動画広告におけるプログラマティック広告経由での広告費用は55億ドル(6000億円)を超え、米国の動画広告市場全体の56%を占めるに至りました(*1)。プログラマティック経由でのテレビ広告への予算投下は現在のところテレビ広告費用の1%にしか過ぎませんが、今後も成長し2018年には6%に到達すると予測されています(*4)。

広告主が最も効果的かつ効率的な広告配信手法を求めている中で、プログラマティック広告は進化しています。その有益性はまだすべて実現されているわけではありませんが、市場は急速に成長し、データを速やかに活用する新しい技術も次々に生まれています。こういった新しい動きに先んじて取り組むことで、ビジネスを成功させる機会が拡大するのではないでしょうか。

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