マーケティング戦略

デジタル顧客に欠かせないオフラインデータ

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デジタルマーケティングに関わっていると、いまだに多くの消費者がオフラインで購入し続けているという事実を忘れてしまいがちです。実際のところ、消費者が実店舗に足を運ぶ頻度は減少しています。店舗は時間が来れば閉まってしまいますし、ECやモバイルでの通販(mcommerce)は成長基調です。しかし、だからといって90%以上の売り上げが実店舗で発生していることを無視していいわけではありません。

そして、その実店舗で発生したオフラインで保有する自社データの価値も見落とすべきではないのです。

オフラインのデータには消費者一人一人の購買履歴、商品の嗜好(しこう)性、デモグラフィックなデータ、会員ステータス、今までの総購買金額、そして誕生日や記念日なども含まれていることがあります。また問い合わせやクレームの履歴などもコールセンターで保有していることもあります。このようなオフラインの営業活動データ、コールセンターデータなどのCRMに格納されているデータの価値を考えてみましょう。

前述を表したイメージ図

もしも企業が実店舗でのリッチなデータをデジタルに接続できていないとしたら、消費者の全体像を把握することは、ほぼできないといえるでしょう。しかしオフラインとつながることは、カスタマーを中心に据えたマーケティングにおいて、適切かつ継続した消費体験を生み出し、それらをコンバージョンや長期にわたるロイヤルティーの醸成につなげるために不可欠なことなのです。

多くのマーケターが実践できていないこととは

弊社のリサーチによると、世界的に見てオンラインとオフラインのチャネルを超えて消費者を把握できているマーケターは、6%に過ぎません。何が問題となっているのでしょうか? 時代遅れの広告技術やシステムごとにサイロ化したマーケティング活動などは確かに課題となりますが、最も目を向けるべきは、自社データおよび顧客の独自性を総合的に生かした戦略の欠如なのです。

ブランド企業は継続的な消費者のプロフィールにデータを紐づけることと、最終的にそのデータを実際の人物に紐づけることで、その消費者がデバイスを変えようと、実店舗にいようとデジタルにいようと、一貫して把握できます。オフラインデータとオンラインデータを接続することは、消費者がカスタマージャーニーのどの段階にあろうとも、継続的で適切な顧客体験を提供でき、その好みや願望を中心とした顧客接点を持つことができるようになることを意味します。

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企業が自社のオフラインデータを消費者のデジタル世界におけるIDに紐づけると、購買行動の最も重要な部分がつながります。そして、より正確なターゲティング、デバイスを超えた消費者とのコミュニケーション、そしてより正確な分析と計測など、よりよいマーケティング戦略の構築につながります。

CRMデータとデジタルマーケティング施策をつなげることは数年前からいわれており、別に新しいものではありません。しかしながらキャンペーン単位で見てみると、昔ながらのバッチでのデータ連係が多くあり、そのやり方では十分とはいえません。

今日においてブランドを育てるということは、自社のデータをより戦略的かつ総合的に活用することに他なりません。それは、リアルタイムにチャネルをまたいだデータを連係し、即座に使える状態を、継続的に作り出すことです。このことは、消費者との長期的で強固なつながりを構築するうえでの鍵といえます。結局のところ、消費者は、自身が期待しているような形での接点、つまり数日前に探していたものではなく、今、その時のニーズに対応できたかどうか――その体験の積み重ねによって、ブランドを評価するのです。

オンラインとオフラインのデータをつなげ、真のカスタマーセントリックなマーケティングを実現するには、以下の3つのやり方を押さえておかねばなりません。

1. 適切なタイミングで適切なメッセージを届けるキャンペーンを展開する

ブランド企業のオフラインデータとオンラインデータをつなげると、デバイスを超えて適切なタイミングで実際の消費者を判別することが可能になります。消費者が誰かを知り、どんな興味があるかを理解することで、広告予算のよりよい運用が可能になります。つまり、消費者がすでに持っている商品や興味がない商品を訴求するのではなく、興味がありそうなものをクロスセルすることができるようになり、無駄な広告予算の削減につながります。

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ダイレクトメールやEメールのマーケティングで使われてきたような自社の顧客データは、デジタルマーケティングによって、よりパワーアップした活用ができるようになりました。賢いマーケターなら、うまく利用しない手はありません。

2. マーケティング施策の効果をより正確に計測する

ブランド企業が保有するオンラインのデータとオフラインのデータを結合すると、消費者が実店舗での購入を完了するまでの動き――つまり、受信したEメールから自社サイトに飛び、さらに、モバイルのアプリへと遷移したことなどがわかります。もし、オフラインのデータなかったら、デジタルマーケティングの貢献度はどのように考えればよいでしょうか。仮に90%ものコンバージョンがオフラインで発生しているとしたら、もちろん正確な効果測定はできません。

オフラインデータとオンラインのデータを統合することは、マーケターがより正確に消費者との接点の効果を分析することを可能にします。そしてデジタルデータだけに頼るよりも、より速く検証可能な結果を計測できます。購買サイクルの完全な把握によって、キャンペーンをより効果的に働くよう最適化ができるようになり、最適な予算の配分やオフラインにおけるオンラインの広告効果などを理解できるようになるのです。

3. パーソナライズな顧客体験を大規模に展開

オフラインデータとオンラインデータの統合は、それぞれの顧客に最適で本質的なブランド体験を提供することにつながります。企業側にとっては、顧客が実店舗に来る前に商品を事前に調べていたことを知ることで、店舗在庫にとっておくべき商品がわかり、それを事前に準備するばかりでなく、その商品限定のプロモーションを展開することも可能です。航空会社の場合であればフライト遅延の際、登場予定であった乗客に無料のWi-Fiを提供して、待ち時間のストレスを軽減させるなどの対応が可能になります。

このように、過去における実店舗での購買履歴などオフラインでしか得られない知識を活用すれば、自社サイトのコンテンツを最適化したり、より文脈に沿った形で顧客とのコミュニケーションを行ったりできます。そして最終的には、これらの知見を活用して消費者の行動予測やさらなる顧客満足度向上を通し、消費者とのより強固な関係性を構築できるのです。

デジタルな世界における消費者の足跡は、間違いなく膨大な量になります。しかし、そういったオンラインのデータを今まで蓄積されたオフラインのデータと統合しさえすれば、カスタマージャーニーのそれぞれのステップにおいて適切なコミュニケーションを実現することが可能になります。

過去において、オフラインデータとオンラインのデータを統合するのは複雑で時間のかかる作業でした。しかしながら新しいテクノロジーは、営業活動のデータやコールセンターのデータなどを含むCRMをデジタルのIDにリアルタイムにかつ簡単に紐づけることを可能にしました。

消費者一人一人が期待しているような経験を提供して消費者の心と財布をつかむには、消費者が望んでいるプライバシーに最大限配慮した形で自社のオフラインデータとオンラインデータに統合し、広告配信、効果測定、そしてパーソナライゼーションを実現する必要があるのです。

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