デジタルマーケティング入門

データとIDを活用して顧客体験を変化させる3つの方法

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顧客にとって、ブランドとの接点は、カスタマージャーニーやチャネル、ライフサイクルといった視点で考えるものではありません。顧客にとって大切なのは、いかに適切なタイミングで望むものを見つけられ、ニーズが満たされ、目的が達成できるかという点なのです。

これはブランドにとって大きな課題です。もし、ブランドが顧客の要求をすべて満たすことができるなら、効果は絶大です。あるリサーチによると、エンゲージメントが高い顧客は、そのブランドに将来的にも3倍以上の収益価値をもたらす可能性があるからです(*1)。

逆に、ブランドが顧客の要求に応えられないならば、単純に顧客からの見返りは期待できません。事実、顧客の82%が、不愉快な顧客体験をした後、その企業との取引をやめたという調査結果もあるのです(*2)。

顧客体験はブランドにおける差別化要因である

マーケティングには、顧客を最優先する新しい考え方が必要とされています。もはや、モノを売ることだけがマーケティングではありません。今日のマーケティングとは、顧客のニーズを完全に満足させるとはいわないまでも、彼らが期待するように魅力的かつストレスのない体験を提供することなのです。

いくつかの例を考えてみましょう。航空会社であれば、空港で飛行機が遅れている顧客に対して、すぐさま遅延のおわびと無料のWi-Fiサービスを提供する旨をテキストメッセージで送付できます。アクセサリーブランドであれば、新しいラインアップについてSNSのフォロワーにアイデアを募ることもできます。また、EC事業者であれば、購入した靴を病気が原因で返品せざるを得なかった顧客に対して、花を贈ったり、会員ランクをVIPへアップグレードしたりもできるでしょう。金銭的なやり取りがないとしても、顧客をサポートし、受け入れ、彼らの気持ちに寄り添うことは、お金にはかえられない価値としてとらえられるのです。

雑誌『フォーブス』の発表によると、世界のトップ500社の経営者86%が、これから先数年間は消費体験が重要な経営課題だと確信しているとのことです(*3)。もちろんマーケターはこの問題に対して向き合わねばなりません。81%のブランドが顧客を本当に理解できていると信じているにもかかわらず、それが正しいと思っている顧客はたったの37%だったのですから(*4)。

マーケティングとは、ブランドとしての「約束事」を顧客に伝えること

他社に先駆けて成功するには、マーケターは顧客を特定し、適切な文脈とタイミングでコミュニケーションをとるために自社データ(*5)を最大限に活用することが求められます。その際、単なるキャンペーンという考え方を越えて、マーケティング・商材・サービスが一列に並ぶような顧客中心のプログラムを計画します。そして、最も重要なのは、顧客を中心に考えて事業の意思決定がなされるよう、組織全体にデータドリブンな企業文化をもたらすことです。

顧客中心のアプローチを全社的にとるために、マーケターができることは以下3つです。

1. 部署の枠を越えたビジョンを描く

それぞれの部署がどのように顧客のカスタマージャーニーに関係しているかをまとめましょう。そして各部署がどのように顧客体験の改善に貢献できるかを明確化します。

2. 顧客に共感する

革新的な消費体験は必ずしも消費者にとって適切だとはいえません。場合によっては顧客を遠ざけることもあります。それぞれのブランドと顧客にとってストレスのない、満足度の高い顧客体験を実現させる方法を探しましょう。

3. 価値を伝える

新たなエンゲージメント戦略においては、顧客に負担をかけないようにしながら顧客体験を改善しなければなりません。消費者をひきつけるために、本質的でありながら直感的にわかりやすく、それでいてタイムリーな価値を考えましょう。

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