マーケティング戦略

IDをベースにしたマーケティングを今すぐ実施すべき5つの理由

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今日のBtoC向けマーケターにとって、「シームレスでエンゲージメントの高い顧客体験」という言葉は、悪夢でもあり、また同時に夢でもあります。

「シームレスでエンゲージメントの高い顧客体験」を提供することは、売り上げ貢献度の高いロイヤル顧客を創出することができるなど、ブランドのさらなる成長へと導いてくれます。実際、ロイヤル顧客は、単純に顧客体験に満足している顧客と比べても、平均して52%以上も顧客価値が高いことが分かっています(*1)。この 「顧客にシームレスな消費体験を提供する」という夢を実現するためには、オンライン、オフラインに関わらず、どの接点においても、顧客の一人ひとりを認識して適切に応対し、メッセージを届けなければなりません。

一方、シームレスですばらしい顧客体験を創出することが一種の悪夢でもあるというのは、顧客データとマーケティングプラットフォームで起こっていることは、シームレスとは対極にあるからです。

顧客データはPOSやCRM、DMP、ECのデータベース、そしてウェブ解析ツールなど、さまざまなデータの中に分散して存在します。企業はデジタルマーケティングの急速な進化を背景に、顧客データの有効活用にさらなる挑戦を強いられているでしょう。事実、データ活用パートナーとしてのマーケティングテクノロジー事業者の数は、2015年の1000社程度から、2016年には3500社にも膨れ上がりました(*2)。

いくつかのブランドは、既にマーケティング施策において、顧客一人ひとりにカスタマイズされたメールを送信するなど、シームレスな顧客体験の提供に成功しています。しかし、部分的ではなく包括的に顧客データを有効活用できているブランドはごくわずかです。

全社的な顧客IDを基にしたソリューションは、ブランド自体が顧客データを統合し、顧客体験を組織化するための結合部分のような役割を果たすものです。このソリューションは、他の課題解決アプローチとは異なり、顧客、ブランド、会社全体のそれぞれの変化に対応し、またよい影響を与えることができます。

このソリューションがどのように違うのかについては、これからお話しします。

顧客とともに変化するID

顧客IDを基にしたソリューションは、本来1つの目的のために設計されたものでした。その目的とは、ブランド自体が保有している顧客リストと、ブラウザーのCookieやデバイスのIDなどオンライン広告のターゲティングで使われているデジタル上での”キー”を紐づけることです。たとえば、ある企業で設計された顧客IDの活用目的はとてもシンプルで、キャンペーン期間中、特定の顧客に対する広告配信の要否を決めるものでした。ただし、その結果得られた顧客のIDグラフ(個々の顧客IDに顧客属性を紐付け、マーケティング施策に利用可能な形で保持されているデータ群のこと)(*3)は使用範囲が限られていて、短期的なものでした。

顧客IDを基にしたソリューションであったとしても、ブランドの顧客リストとマーケティングパートナーの”キー”は常に更新され続けています。これに加えて、顧客のブランドに対する理解が進むことで、顧客情報はブランドサイトの訪問履歴やアプリの利用情報、POSやCRMなどのデータベースからアップデートされ、より強固なものになります。

したがってブランドの顧客のIDグラフは、動的であると同時に持続的であり、顧客のライフスタイルにあわせて、発展しているのです。

常にアクティブなIDグラフにおいてブランドは、一人ひとりの顧客に対して最も適したマーケティングチャネルから、その人に関連する内容のメッセージを届けることができます。時を越えて、それぞれの顧客に適したコミュニケーションを連続的に継続して行うことで、その顧客の生涯価値がどのように増大するかを想像してみてください。

ブランドを動かす顧客ID

広告の世界において、1つのブランドが複数のベンダーを活用するのはよくあることです。そして、ブランド自体が保有し管理している顧客にアクセス可能なマーケティングチャネルは、ウェブサイトやアプリ、E-mailなども加わってきます。そうなると、ブランドに対する顧客それぞれの動きは断片的な見え方となってしまいます。

過去を振り返ると、ブランドが複数のベンダーやプラットフォームを横断した顧客データを自由に統合し、顧客を一元化して見ることができるような仕組みを作ることは、技術的に限界がありました。そしてこの状況が顧客データの整合性を維持することを不可能にしてきました。

しかし、全社的な顧客ID活用のソリューションには、ベンダーやプラットフォームに依存することなく、ブランド自体が資産として保有している顧客IDをマーケティングの活性化に利用できるという柔軟性があるのです。ブランドは、自社の顧客データを失うことなく、マーケティング施策を実施するパートナーを自由に選んだり、変更したりすることができます。マーケティング部門はブランド自体が保有する顧客プロフィールを、ウェブサイトからデジタル広告、店舗やコールセンターだけでなく、IoTデバイスやケーブルテレビなどを含め、デジタルであろうとオフラインであろうと、あらゆる顧客接点で有効活用することが可能になります。したがって、ブランドの保有するID資産は、いつでもどこでも柔軟に活用でき、将来的にも、幅広いマーケティングの応用を後押しできるものでなくてはなりません。

会社全体を動かす顧客IDとは

これまで説明してきたように、顧客IDの課題を解決する仕組みは、もともと限られた範囲でマーケティング施策を支援するものでした。

これとは対照的に、ブランド自体が全社的な顧客IDの課題を解決する仕組みによって、広告の活用方法を越えた包括的なIDグラフを構築できるようになりました。統合された顧客プロフィールが、顧客に関連する情報を与えたり、改善したりすることに使われる可能性がある多くの方法を考えてみましょう。たとえば、より正確なアトリビューション分析やカスタマーサポートの改善、ウェブサイトのパーソナライゼーションや実店舗での顧客体験の改善などが考えられます。このようにブランドのID資産はマーケティングを越えて、他の機能を高めたり、企業を通して聞こえてくる顧客の声を把握したりするために応用される可能性があるのです。

全社的な顧客IDを活用する最大のメリットとは

全社的な顧客IDをベースにしたソリューションを導入することのメリットは、以下5つです。

1. いつでも顧客の期待に沿うものを提供できる

もし、ある顧客が自社サイトを20回閲覧していて、過去に自社サイトで5回の購入経験があった場合、その顧客はブランドに対して自分のことをわかっていてほしいと期待しますし、また、ブランド情報やセール情報などをまとめて提供することで自分の時間を無駄にしないように気を遣ってほしいと思うでしょう。

2. 顧客の体験を分断せず継続的なものにすることで、顧客の時間と労力を削減することができる

顧客がオンラインで購買しようが、実店舗で商品を見ようが、カスタマーセンターとやり取りしようが、その顧客はブランドに対して、自分との過去のやりとりを踏まえて、次の体験がより便利で手間のかからないものになることを期待しています。

3. 顧客維持やロイヤルティー改善のマーケティング施策について、顧客一人ひとりのレベルまで計測することができる

一度ブランドが自社で顧客のIDグラフを保有すると、よりよい要因分析ができるようなマーケティング施策と顧客の一対一のつながりを可能にします。

4. 継続的な顧客との関係性・長期的な顧客の生涯価値を構築することができる

何かを取引するビジネスにおいて、過去によい体験(10点満点中8点以上)をした顧客は、顧客体験の満足度がそれより低かった(10点満点中7点以下)顧客よりも、1年間で60%から140%も多くお金を使う、という結果が出ています(*4)。

5. 顧客が絶え間なく変わるメディアや購買システムに足を踏み入れようとも、顧客とつながる技術はさびつかない

以下の統計データで考えてみましょう : 毎月インターネットユーザーの70%以上がネット配信のストリーミング動画を視聴するようになり(*5)、またアメリカ家庭の約60%がインターネットテレビを使うようになった一方で(*6)、2016年に1000億円規模だったケーブルテレビや衛星テレビに配信される広告は、2018年には約2222億円まで拡大すると見込まれています(*7)。

顧客を継続的に認証することで、顧客にシームレスな体験を保証できる

ブランド企業は、的確なデータ活用の基盤を構築することなしに、顧客が期待しているシームレスで関連性のある顧客体験を提供することはできません。しかし全社的な顧客IDを基にしたソリューションにより、実際の店舗だけでなく、デジタルなタッチポイントを横断しているすべての人のアクティブな情報を紐づけることで、顧客体験を改善していくことができるのです。

あなたのブランドは、その準備ができていますか?

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