コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングをはじめる前に(2)~コンテンツ要素の設計ポイント

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連載第1回で、コンテンツに必要な4つの視点(誘導、場所、形態、表現)を紹介しました。今回は実際にマーケティングに活用するために、これら4つの中から「形態」を中心に「誘導」と「場所」の特徴を詳しく説明し、それらの要素をどのように組み合わせてコンテンツを構成すべきかについてお話します。

コンテンツの「形態」をポジショニングして考察する

はじめに、「誘導」「場所」「形態」「表現」のうちで最もイメージしやすい、コンテンツの「形態(テキストによる記事だけでなく、マンガや動画なども含む)」を取り上げます。

特にコンテンツマーケティングの目的が「潜在ユーザーを獲得する」である場合、どのような形態を選択するのが適切なのでしょうか。

コンテンツの形態には、主に「記事」「動画」「ビジュアル」の3種類があります。もちろんこれらに限らず、たとえば漫画のように「記事」と「ビジュアル」を組み合わせた形態などもあります。

本稿では、代表的なこれら3つの形態について図1のようにポジショニングマップに配置し、それぞれの特徴を見ていきます。

図1 コンテンツマーケティングにおけるポジショニングマップ:「形態」
後述されているコンテンツマーケティングにおける形態について表したポジショニングマップ

まず、このポジショニングマップの基本的な見方から説明します。

縦軸は情報量の多さを表しており、上位ほど情報量の多い、ヘビーな形態となります。情報量が多いヘビーなコンテンツは消費ストレスが高い一方で、ユーザーの記憶に残りやすいものといえます。反対に、情報量が少ないライトなコンテンツはユーザーの記憶には残りにくいものの、見てもらいやすいことが特徴です。さらに、ライトなコンテンツはその情報にユーザーのニーズがなくともユーザーの目に触れやすいのですが、ヘビーなコンテンツはある程度、ユーザー側にニーズがないと関心を持ってもらえません。

一方、横軸はユーザーへのアプローチの仕方を表しており、左から「理論的(左脳的)」で、右にいくほど「感性的(右脳的)」であることを示しています。つまり、左にいくほどユーザーに比較検討や学習を促して購買に導く(=論理的に訴えることが得意な)コンテンツの形態であり、右にいくほど感性を揺り動かすことが購買につながる(=感覚的要素に訴えることが得意な)コンテンツ形態だといえます。

縦軸と横軸が表す指標を踏まえて、3つの形態の特徴を詳しく見ていきましょう。

「記事」は理論的なコンテンツ形態に位置し、内容や情報量がライトなものからヘビーなものにまたがっていることがわかります。例を挙げると、レビュー記事やインタビュー記事のようにじっくり読み込む必要のある比較的ヘビーなものから、面白記事やまとめニュースなどのライトに読めるものなどがあります。

「動画」もその内容や再生時間により、情報量としてはヘビーなものからライトなものまでありますが、「感性的」なものが比較的多い形態であることがわかります。たとえば、ニュースなど長尺の解説動画はヘビーですが、ソーシャルメディアに掲載するような短尺の自動再生動画などはライトな部類に属します。

最後に「ビジュアル」は、タレントや動物などのグラビア、ソーシャルメディアの投稿画像など、見た目でインパクトが強いもので比較的ライトな内容が多く、ポジションマップでは感性に訴えかける右下に位置する形態となります。

コンテンツの「形態」で、ユーザーの態度変容を促すには

コンテンツ形態の特徴を踏まえた上で、今度は前述のポジショニングマップを4つのブロックに分け、それぞれが訴求対象に対してどのように作用するかを見ていきます。

コンテンツマーケティングにおける形態について表したポジショニングマップ

まず、左上のブロックに属しているヘビーな「記事」と「動画」の一部は、すでに情報ニーズを持っている、あるいは左下や右下のブロックでライトなコンテンツを閲覧したことで、ヘビーなコンテンツに興味を持ったユーザーへの訴求に適します。商品の具体的な検討材料を提示したり、ユーザーの興味関心の高い分野の情報を提供したりして、ユーザーを啓発します。

また、左下のブロックに属しているライトな「記事」形態は、中長期的な購買プロセスの商材において検討段階にない潜在層へのファーストアプローチとして活用し、より商品に近い情報への欲求を起こさせることに向いています。たとえば、関連する情報を面白コンテンツなどで見せて、よりヘビーな情報への接触を促します。

次に、右上のブロックです。ここには「動画」の大部分が配置されています。このブロックに配置されている「動画」は、ユーザーの共感や興味関心を強め、ロイヤルティーを高めることで、購買検討時に選択肢として意識させることが得意といえます。商品のPV動画などがこのブロックに属する特徴的なコンテンツです。

最後に、右下のライトで感性的な訴求を行うブロックには、「ビジュアル」の大部分と「動画」と「記事」の一部が配置されています。このブロックに配置される形態は、まだ検討段階にない潜在層へのファーストアプローチに適しています。ユーザーに「面白い」「かっこいい」などの感覚的な共感と興味関心を持たせることで、よりヘビーな情報への接触欲求を起こさせます。

このように、ブロックごとにそれぞれ適したコンテンツ形態がありますが、重要なのは作成したコンテンツによってユーザーの態度変容を促し、よりヘビーな情報への接触欲求を起こさせることです。そのためには、左下あるいは右下のブロックにあるような形態だけでは不十分です。コンテンツマーケティングの形態としては、左上や右上のブロックに興味関心を持つよう促し、そこからさらに本当にPRしたい商品やサービスの情報へつなげていく必要があります。

特にコンテンツマーケティングの目的が「潜在ユーザーを獲得する」である場合は、「潜在ユーザー」にはまだそこまでの情報ニーズがないため、左下や右下に配置されている形態で、商品情報を訴求することは時期尚早といえるでしょう。

「場所」と「誘導」の役割と特徴

ここからはコンテンツの「場所」と「誘導」についてもポジショニングマップの考え方を使って見てみましょう。まずは実際のコンテンツを置く「場所」についてです。

図2 コンテンツマーケティングにおけるポジショニングマップ:「場所」「誘導」
コンテンツマーケティングにおける場所と誘導について表したポジショニングマップ

図2のブロックAは情報量があり、理論的な訴求を行うことに適しています。情報へのニーズがあり、目的を持って接触するユーザーが多い場所でもあります。たとえば、専門的なバーティカルメディアや、ニュース系メディアが含まれます。

Bについては感性を揺り動かす訴求が向いているという意味で、動画系メディアや、インストリーム広告などが置き場所として適しています。

Cは、ユーザーが多く集まる、何気なく接触する、ライトなコンテンツが集まる場所になります。キュレーションメディアなどのプラットフォームメディアが例として挙げられます。

Dは、情報量も少なく、ユーザーの感性を揺り動かして訴求する場所で、ソーシャルメディアの広告や、CMなどがここに属します。

次にコンテンツを見てもらうための手段、「誘導」についてです。ブロックDに配置されている、バナー広告、ネイティブアド、レコメンドエンジンなどの広告ですが、実はブロックAからCの誘導手段としても使われます。

第1回で「場所がそのまま誘導手段になることもある」と説明しましたが、Dの「CM」やBの「テレビ番組」などはその典型で、ユーザーの態度変容を促す前に、“知ろうとするきっかけを作りだす”コンテンツであり、すなわち「場所」であると同時に「誘導」でもあるといえます。

訴求目的に応じた設計がコンテンツマーケティングのポイント

今回は、コンテンツの「形態」「場所」「誘導」をどう選択すればよいかについて、主にそれぞれの特徴とポイントについて解説しました。最終的なマーケティングの目的を踏まえた上で、どのような形態が適切なのかを考え、誘導や場所もそれぞれの特長を生かして選択し、組み合わせることが大切です。ポジショニングマップはそうしたコミュニケーションの組み立てを行う際の参考になるのではないでしょうか。

コンテンツマーケティングを考える際は、コンテンツの展開に必要な4つの視点のうちの1つである「表現」にばかりに気をとられがちですが、「形態」や「場所」、「誘導」も考慮しながら設計することが大切です。

次回は、コンテンツマーケティングで成果を出すために欠かせないPDCAを回す上で、確認すべき指標について解説します。せっかく熟考して設計したコンテンツマーケティングも、うまく運用していかなくてはその成果を高めることはできません。目的に応じて、どのような指標を見るべきかについて紹介します。

【参考記事】
コンテンツマーケティングをはじめる前に(1)~コンテンツの構成要素とは
コンテンツマーケティングをはじめる前に(3)~成果につなげるためのKPI設定

著者プロフィール

安藤 洋輔(あんどう ようすけ)

大手新聞社系Webメディアなどのライター・編集を経て、コンテンツ領域のWebマーケティングを得意とするプロデューサーとして活躍。2016年4月にヤフー株式会社に入社。同年10月よりYahoo! JAPANのスポンサードコンテンツのサービスマネージャーとしてYahoo! JAPANのコンテンツマーケティングを推進。

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