マーケティング戦略

顧客を無視したキャンペーンにこだわっていませんか?

  • はてなブックマーク
  • follow us in feedly

8月には新しいコートが店頭に並び、4月にはサンダルがお目見え――米国でのマーケティングと消費者の購買は長らくカレンダーに合わせて行われていました。そしてマーケターは祝日や学校の予定、そして決められた日付のイベントにあわせて、毎週毎週キャンペーンを計画し続けてきました。

しかしながらテレビのタイムシフト視聴のように、今の消費者の購買行動はタイミングがバラバラです。ECサイトが1年を通してすべての商品をとりそろえることで、いつでも欲しいときに商品が購入できるようになり(*1)、消費者の購買習慣は季節に縛られる従来のサイクルではなくなりました(*2)。

消費者がより柔軟なスケジュールで行動するようになったことで、彼らがいつ物を探し、購入する気分になるか予測するのは、ますます難しくなっています。そのため、企業はカレンダーを軸にしたキャンペーンを行うことから、各消費者の購買意欲に応えられるような、もっと消費者の状況や行動に即したマーケティングを行うために奮闘しているのです(*3)。

企業自身が保有する顧客データを活用する場合は特に、顧客をターゲティングする戦略を状況に応じて変えるべきです(*4)。従来のようにキャンペーンを実施する度に顧客データを提供するようなやり方は、迅速さに欠けるからです。

この状況を打開するためには、マーケティングで活用する顧客データを広告キャンペーンの実施とは切り離して考えなくてはなりません。継続的に顧客データを活用するためには、常に最新のものに更新された、いつでも使える顧客データを準備しておく必要があります(*5)。

加えて、より迅速に顧客の要望を認識して応えられるようにするために、継続的な顧客データへのアプローチ方法をさらに3つご紹介しましょう。

1. 日々のマーケティング実現に向け顧客一人ひとりに対応する

特定の顧客を正確に抽出するのは、思っている以上に難しいことです。なぜなら、個々の顧客がデバイスを変えたり、Cookieを削除したり、複数のアドレスを使っていたり、さらには定期的にブランドサイトにログインしなかったり、来訪しなかったりするからです(*6)。

キャンペーンごとに顧客IDを活用する場合、一般的にそのIDが企業の保有するメールアドレスと一致する割合は50%未満です。かつその中で実際に利用できる顧客情報の割合はそこからさらに15%から25%ほど下がってしまいます。この一致率は月ごとにかなり変動しますし、全顧客ファイルの情報を改めて寄せ集めない限り、キャンペーン期間中に顧客IDを追加で一致させるような方法はありません。

これとは対象的に、継続的な顧客IDによるアプローチでは、顧客とのつながりを示す重要なデジタルデータを常に更新していくので、顧客IDデータとメールアドレスの一致率を劇的に改善し、1対1のメッセージを送ることも可能にします。

2. 適切なパーソナライゼーションのためにより深く顧客を知る

顧客の企業に対する感情的な結びつきは長い時間をかけて構築され、その関係性において相互に価値をやりとりする状況が生まれます。メールマガジンに登録したり、会員プログラムに参加したりするなど、顧客が企業に情報を提供する場合、それが適切に活用され、価値のあるコミュニケーションが提供されることを期待しているともいえるのです。

もしも企業側が顧客の期待に応えられるような顧客体験を提供しようとしなかったり、またはできなかったりするなら、顧客は簡単にメールマガジンの登録を解除し(*7)、会員プログラムから退会し、離れていくでしょう。

企業が顧客とのエンゲージメントを構築したいのであれば、誤差が少ない顧客のプロフィールを通して顧客一人ひとりを認識し、パーソナライズされた顧客体験を提供できるようにしなくてはいけません(*8)。

キャンペーンごとの顧客IDを用いる方法の場合、顧客をパーソナライズするための情報は通常セグメントが限られているか、もしくはキャンペーン期間限定のオンラインでの行動履歴となります。さらに、それらの顧客情報は一般的にキャンペーンが終了した時点で使えなくなります。

一方、継続的な顧客IDのアプローチでは、顧客一人ひとりの過去の履歴もすべて維持することができ、顧客が新たに何かしらの行動をした際にはリアルタイムで更新できるため、顧客に向けたメッセージがより新鮮でかつ関連があるものとなります。

3. よりよいサービスを提供し、優良顧客を維持する

1回限りの顧客からもたらされる利益は大きくはありません。しかしながら、リピート顧客の利益は大きくなります。

Bain&Company社の調査から明らかになったのは、1回限りの顧客だけでは、企業による顧客1人の獲得コストの元を取ることはできないということです。その一方でリピート顧客は購買頻度と1回の購入金額が時間とともに増加し、初回の購入後1~6カ月より、31~36カ月経過後のほうが23%から67%も購入額が多いが分かりました(*9)。

企業にとって価値の高い顧客を保持し続けるためには、パーソナライズされた広告やメールによる継続的なコミュニケーションが不可欠です。継続的な顧客IDのアプローチは適切でリアルタイムなマーケティングの実現をサポートするだけではありません。実店舗での対応からサポートセンターまで、包括的に顧客の状況を把握する・顧客の生涯価値を判断する・差し迫った顧客離反の予兆を知るといったことが可能になります。キャンペーン単位での顧客IDの活用ではこのようなことは実現不可能です。

継続的なエンゲージメントには継続的な顧客把握が必要である

もし、顧客IDを活用したマーケティングは単に「キャンペーン時の広告配信精度を高めるだけのツールである」という認識であれば、それは改めるべきです。

有効期限が短いCookieなどとは異なり、継続的に使える顧客IDをベースとしたソリューションを活用することで、個々の顧客に対するマーケティング活動は劇的に改善することができるでしょう。より多くの既存顧客にリーチし、よりよい顧客情報を持つことで、パーソナライズされたメッセージ配信が可能になり、より優良顧客の期待に応えられるようになるのです。

顧客のテレビ視聴や購買行動がタイムシフトしている現在、マーケターとして顧客を継続的に把握するマーケティング施策に“シフト”するべきでしょう。

  • はてなブックマーク
  • follow us in feedly

Insight for Dの
ページにいいねしよう!

「いいね!」してInsight for Dの最新情報をチェック

Q. Yahoo! JAPANのデータソリューションは何がスゴイんですか? 答えはこちら

Q. Yahoo! JAPANのデータソリューションは何がスゴイんですか? 答えはこちら