コンテンツマーケティング

スポンサードコンテンツにみる「価値あるコンテンツ」とは[前編]

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数あるマーケティング手法の中でも、ここ最近マーケターや広告主の注目を集めているのがコンテンツマーケティングです。事実、コンテンツマーケティングに関連するサービスを提供するメディアも徐々に増えてきています。しかしながら、この手法を用いてもなかなか効果が出ない、また、そもそもコンテンツ自体を見てもらえないという声も多く聞かれます。

企業だけでなく個人によってもコンテンツが量産されている今、「読みたい」「役に立った」と思われるような「価値あるコンテンツ」とはどのようなものなのか――改めて考えていきましょう。

コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングは、認知向上やブランディングなどを目的として、従来の広告だけではリーチできなかった潜在層に対し、興味や関心、注目を喚起するようなコンテンツを提供するものです。

コンテンツを見てもらうことで認知を向上させ、そこから態度変容を促すなどの効果につなげるコンテンツマーケティングは、一般的に「獲得系」と呼ばれる広告とは異なり、中長期的な戦略が求められるマーケティング手法です。

リードナーチャリングのように、長期にわたり見込み顧客にコンテンツを段階的に提供し、徐々に自社や自社製品のファンに育てていくといった施策も、コンテンツマーケティングのひとつといえるでしょう。

コンテンツマーケティングにおいてコンテンツを表現するフォーマットは、動画を筆頭にさまざまなものがあります。さらに、コンテンツの掲載場所も1つにとどまりません。現状、コンテンツの掲載場所を分類すると、大きく分けてオウンドメディアやペイドメディア、アーンドメディアの3つです。

コンテンツの掲載場所であるオウンドメディアやペイドメディア、アーンドメディアの3つを示した図
コンテンツの掲載場所

コンテンツを活用してマーケティングを行う場合、コンテンツの「フォーマット」(手法)、「届け方」(誘導手法や掲載場所)、「効果の測り方」(KPI)も重要ですが、最も重要なのはあくまでも根幹である「コンテンツそのもの」です。

本稿では、広告主やマーケターにとってなじみ深いペイドメディアに掲載されるコンテンツとして“価値がある”とはどういうことかについて、「スポンサードコンテンツ」を例に挙げて説明します。

スポンサードコンテンツとは

スポンサードコンテンツについてはさまざまな定義がありますが、ここでは「『メディア側に編集権限』があり、広告主の意向をくみながらも、基本的には『メディア主体で編集・制作』するコンテンツ」とします。類似したものとして、記事の体裁をとっただけのコンテンツ風広告も多く見られますが、これらは必ずしも「『メディア主体での編集・制作』ではない」という点で、スポンサードコンテンツとは明確に異なります。

メディア主体で編集・制作するコンテンツといっても、案件によっては広告主が強く関与を求めることもあります。これは、広告主側は、スポンサードコンテンツであっても、マーケティング戦略上の位置付けにおいては「あくまで広告」という意識を強くもっているからです。そのため広告主が、「スポンサーをしているのに、自分たちの意見は通らないのか?」と思うのは至極当然といえます。

スポンサードコンテンツに必要な「生活者視点」

スポンサードコンテンツを企画・制作する際に重要なのは、いかに広告主の意向に沿うコンテンツを制作するかではなく、生活者にとってどれだけ価値のあるコンテンツを提供できるかです。

コンテンツを届ける先は、あくまでもそれを見る人、すなわち「生活者」であるため、コンテンツを企画・制作する際に求められるのは「生活者視点」です。せっかくメディア側で生活者の興味をひく内容のコンテンツを企画していたとしても、広告主の要望によって広告色を強める方向にコンテンツが修正されると、生活者が離脱してしまう可能性が高くなります。そうなると、本来のコンテンツ効果が出にくくなるのです。

そのため、スポンサードコンテンツを始めるにあたっては、メディア側と広告主がよく話し合い、お互いのスタンスを決めておく必要があります。特に広告主側は、メディアがどこまで対応するのかを事前によく確認し、あとはメディアに任せるという姿勢が重要でしょう。せっかくコストをかけてスポンサードコンテンツを使うのであれば、そのメリットを消すことなく、生かすことが何より大切だからです。

生活者が感じるコンテンツの価値

生活者視点によって作られる、生活者にとって価値あるスポンサードコンテンツとは、企業から発信される商品やサービスの紹介ではありません。自分たちにとって本当に役立つといえる情報です。生活者自身が能動的に探しにいきたくなる情報、と言い換えてもいいかもしれません。

そのようなコンテンツを作るステップとして、まず、人はどんな時、どんな情報に価値があると感じるかを考えてみましょう。あなた自身はどんな時、どのような情報を欲しいと思いますか。

実はこの答えは、人々の検索行動にも表れています。日々困っていることや悩んでいることを解決してくれる情報を探している人が、圧倒的に多いのです。これはすでに顕在化しているニーズに対して、その解を与える、欲求を満たす情報――すなわちコンテンツが必要とされていることを示しています。たとえば、健康に関する情報、生活の豆知識や料理のレシピなどの情報は、まさに生活者の悩みを解決するための「価値あるコンテンツ」となっているよい例といえるでしょう。

一方、顕在化していなくとも、潜在ニーズに応えるコンテンツもあります。「今までは気づかなかったけれど役に立つ」と思ってもらえる情報や、生活者を啓発するような情報は、読者から大きな支持を得るでしょう。例を挙げると、未知のエンターテインメントやトレンドに関する情報など、普段から欲している情報ではないけれど、その情報と接触することで潜在的な欲求を呼び起こし、新しい価値を発見させたり、今までとは違う見方もあるということを気づかせたりするようなコンテンツです。

後編では、価値あるスポンサードコンテンツを作るために必要なメディアの力について解説し、それを活用して成功した事例を紹介します。

この記事の後編を読む

著者プロフィール

戸崎 健(とさき けん)

数社の広告制作会社・広告代理店にて、プロデューサーとしてクライアント企業のデジタル・コミュニケーションの戦略立案と施策実行を支援。2016年ヤフー株式会社に入社、コンテンツマーケティング事業本部クリエイティブチームに在籍。主にディレクターとして、ヤフーが主体的に編集する特集系サイトや広告主とのタイアップサイトのプランニング・ディレクション業務に従事。

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