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生活者のメディア・デバイス利用状況に関する調査【その2】

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この記事の前編を読む

ヤフー株式会社 リサーチアナリシス部が実施した「生活者のメディア・デバイス利用状況に関するマルチスクリーン調査」より、2013年から2017年にかけて生活者のメディア・デバイスの利用状況がどのように変化したのかをお伝えします。

前編では、テレビ離れ以上にパソコン離れが進む一方で、スマートフォンの利用が性別年代を問わず広がった点に触れました。後編では、各デバイス間での『ながら利用』や、『またぎ利用』に着目して調査結果を紹介します。

テレビとスマホで『ながら利用』

「テレビを見ながらスマートフォンを操作する」といったように、複数のデバイスを同時に利用することを、本調査では『ながら利用』と表現します。

2017年の『ながら利用』の状況は、下図のように「テレビとスマートフォン」の割合が最も高く、次いで「テレビとパソコン」となっています。

上記説明のとおり

【設問】あなたはふだん、以下の端末を同時に利用することはどのくらいありますか(単一回答)
【対象者】パソコン・スマートフォン・テレビをふだん利用していると回答した人
【サンプル数】テレビとパソコン:15,021人、テレビとスマートフォン:14,821人、パソコンとスマートフォン:12,664人
【集計方法】パソコン・スマートフォン・テレビのうち2つをふだん利用していると回答した人に占める、「同時に利用しない」以外を回答した人の割合

では、『ながら利用』の際にメインとなるデバイスは、何でしょうか。

下図が示すように、テレビは『ながら利用』されやすいようですが、メインにはなりづらいことがわかります。一方で、パソコンはどのデバイスと同時に利用される際も、メインデバイスとなりやすいことがわかります。

上記説明のとおり

【設問】あなたはふだん、以下の端末を同時に利用するとき、どちらの端末をメインで利用することが多いですか(単一回答)
【対象者】パソコン・スマートフォン・テレビをふだん同時に利用していると回答した人
【サンプル数】テレビとパソコン:8,810人、テレビとスマートフォン:11,588人、パソコンとスマートフォン:7,122人
【集計方法】対象者に占める、両デバイスをメインデバイスとして利用すると回答した人の構成比

「ながら利用」におけるスマホとパソコンの用途

テレビを見ながらパソコン/タブレット/スマートフォンを『ながら利用』する際、それぞれのデバイスは、どのような目的で操作されているのでしょうか。

スマートフォンでは、「SNS」と「ゲーム」、「暇つぶし」を目的とした『ながら利用』の割合がほかのデバイスに比べて高くなっており、娯楽やコミュニケーションを目的に利用されていることがわかります。

パソコンは、テレビと共に利用される際に「ウェブ閲覧」や「ショッピング」、「旅行の計画」「金融取引」「仕事・勉強」などが目的となる割合が高いことから、『ながら利用』において調べ物や比較的集中力を必要とする作業を行う傾向があるといえます。

上記説明のとおり

【設問】あなたはふだん、以下の端末を同時に利用するとき、どのような目的で利用していますか(複数回答可)
【対象者】テレビと、パソコン・スマートフォンのいずれかをふだん同時に利用していると回答した人
【サンプル数】テレビとパソコン:8,810人、テレビとスマートフォン:11,588人
【集計方法】全回答者に占める、各項目を選択した人の割合

パソコンとスマートフォンの間で引き継ぐ行動とは

つぎに『またぎ利用』の状況です。これは、あるデバイスで始めた行動を別のデバイスに引き継ぐ形での利用を意味します。

パソコンとスマートフォンの利用者における『またぎ利用』者の割合をみると、「スマートフォンからパソコンへ」が30%、「パソコンからスマートフォンへ」が23%となり、『ながら利用』者に比べて割合はやや低いですが、『またぎ利用』の際はスマートフォン起点となる割合が高いことがわかります。

上記説明のとおり

【設問】以下の行動(ウェブ閲覧、メール、検索、SNS、動画の視聴、ゲーム、ショッピング、旅行の計画、金融取引、暇つぶし、仕事・勉強)を、複数の端末で引き継いでおこなったとき、その行動を開始した端末と、引き継いだ端末はどれですか。該当する引き継ぎが複数存在する場合は、最もよく引き継いでいるものをお選びください(単一回答)
【対象者】パソコンとスマートフォンをふだん利用していると答えた人
【サンプル数】1,638人
【集計方法】パソコンとスマートフォンをふだん利用していると回答した人に占める、いずれかの行動でパソコンからスマートフォンもしくはスマートフォンからパソコンへ引き継ぎを行うと回答した人の割合を、インターネット利用者人口の性年代構成比にウェイトバック集計

では、『またぎ利用』の目的はどのようなものでしょうか。「パソコンからスマートフォンへ」、「スマートフォンからパソコンへ」とデバイスをまたいで利用する際の目的を比べた結果が下図です。

上記説明のとおり

【設問】以下の行動を、複数の端末で引き継いでおこなったとき、その行動を開始した端末と、引き継いだ端末はどれですか。該当する引き継ぎが複数存在する場合は、最もよく引き継いでいるものをお選びください(単一回答)
【対象者】パソコンとスマートフォンをふだん利用していると答えた人
【サンプル数】1,638人
【集計方法】パソコンとスマートフォンをふだん利用していると答えた人に占める、パソコンからスマートフォン、またはスマートフォンからパソコンへ該当の行動を引き継いで行うと答えた人の割合

ウェブ閲覧をはじめとする全ての目的において、「スマートフォンからパソコンへ」の利用割合が「パソコンからスマートフォンへ」の利用割合よりも高くなっています。「検索(8ポイント差)」「動画の視聴(6ポイント差)」「ショッピング(6ポイント差)」「旅行の計画(5 ポイント差)は、特にその傾向が大きいといえます。

『またぎ利用』は、まず外出先でスマートフォンを使って情報収集し、自宅に戻ってからパソコンに引き継いでじっくりと作業するなどの行動が多いと考えられます。

パソコンからスマートフォンへ動作を引き継ぐ20代

最後に、『またぎ利用』の状況を性年代別に比較してみましょう。

全体的に、男性に比べて女性はまたぎ利用者の割合が低いといえます。中でも10代の女性の「スマートフォンからパソコンへ」の利用者の割合の低さは顕著(10%未満)です。10代の女性がパソコンを使わなくなっていること(前編参照)も、その一因だと考えられます。

一方で20代では、男女ともにパソコンとスマートフォンのまたぎ利用者の割合が高く、スマートフォンとパソコンの両デバイスをまたいで利用することに慣れている世代だと考えられます。

上記説明のとおり

【設問】以下の行動を、複数の端末で引き継いでおこなったとき、その行動を開始した端末と、引き継いだ端末はどれですか。もっとも思い当たる端末の組み合わせをお答えください。
【対象者】パソコンとスマートフォンをふだん利用していると答えた人
【サンプル数】2013年 1,968人, 2017年 1,638人 これらを、その年の総務省通信利用動向調査におけるインターネット利用者性年代構成比に準じて分配
【集計方法】パソコンとスマートフォンをふだん利用していると答えた人に占める、パソコンからスマートフォン、またはスマートフォンからパソコンへ該当の行動を引き継いで行うと答えた人の割合

複数のデバイス間で操作を引き継ぐ『またぎ利用』を行う人の割合自体が低く、特にパソコン離れが進む若い女性は、またぎ利用者の割合がこの4年間で大きく減少しました。

そして、テレビと一緒に『ながら利用』するデバイスとしては、娯楽やコミュニケーションを目的とする場合はスマートフォンが使われ、じっくりと調べ物や作業を目的とする場合はパソコンが使われやすいなど、デバイスを使い分けている状況が浮かび上がりました。

今後新たな調査を実施した際には、Insight for Dを通じて結果をお届けします。

調査概要説明

前編を読む | 後編を読む

プロフィール

深谷 太一(フカヤ タイチ)

2011年、ヤフー株式会社に新卒入社。2013年からリサーチアナリシス部にてデータ分析を通した広告販売施策の企画・評価を担当。その後、広告営業として大手ECクライアントほか数社を担当し、データを活用したマーケティングコンサルティングに従事した後、2017年から再びリサーチアナリシス部に所属。現在は広告事業全体の分析・評価や市場調査等を担当。

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