Dの視点

【注目のひと】金山裕樹氏(スタートトゥデイテクノロジーズ代表取締役)

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Insight for Dが注目する人物のパーソナリティーに迫る本企画。影響を受けた人物や書籍、過去の失敗、人生哲学などを10の質問から掘り下げます。

記念すべき「注目のひと」第一回は、200万人以上のユーザー数を誇るファッションアプリ「IQON」を提供する株式会社VASILYの創業者として知られる金山裕樹氏。現在は、ZOZOTOWNを運営する株式会社スタートトゥデイのテクノロジー集団である、株式会社スタートトゥデイテクノロジーズ代表取締役CINO(Chief Innovation Officer)として活躍されています。ファッション業界を進化させる最新技術を世に放とうとする金山氏の視点は、どのような経験や信念から生まれているのでしょうか。


Q1: 学生(子ども)の頃に打ち込んだことはなんですか?

親が本だけは買ってくれたので、読書は幼少期からずっと続けています。今でも1日20分は本を読みますね。読書の魅力は、他の誰かの考え方や体験を追体験できること。読書で得られた体験と現実の自分を比べることで、客観的に自分がわかることも没頭できる理由です。

学生時代に打ち込んだのは、バンド活動です。高校2年生でギターをはじめて、大学3年時には「FUJI ROCK FESTIVAL `00」に出演しました。短期間でよく登り詰めたものだと言われることも多いのですが、単純に他のメンバーが上手だっただけなんです。僕は他人への嫉妬心というものがなくて、自分より優れている人と一緒になにかをするのが好きなんですよね。今も人を採用するときは、「自分よりも優秀、もしくは将来そうなりそう」な人を採用するようにしています。

Q2: ご自身の考え方や生き方に影響を与えた人や書物はありますか?

過去の積み重ねがいまの自分を形成していると思うので、これまで出会った人すべてに影響を受けています。ただ、あえて1人挙げるとするなら、やっぱり弊社取締役会長でもある前澤友作ですね。彼の行動力とメッセージの強さには影響を与えられています。

本でいえば、ヴィクトール・E・フランクルの著書『夜と霧』(ヴィクトール・E・フランクル著/霜山徳爾訳/みすず書房/1985年)です。僕の人生に対する考え方に大きく影響した1冊ですね。著者はナチス強制収容所にいた経験から、「死なないことがなにより大事」、「どんな出来事もいつかは必ず意味を成す」という考えを持つようになったのですが、この考え方に助けられたことが何度もあります。

Q3: 大きな失敗の経験はありますか? それをどのように乗り越え、なにを学びましたか?

僕はあまり失敗を失敗と捉えないんですよね。「この方法ではうまくいかないということが学べた」と思えるんです。たとえ精神的に追い込まれるような出来事が降り掛かったとしても、「人生に役に立つ経験が得られた」と考えます。そのほうが、困難に対峙(たいじ)する自信もつきますから。

困難から逃げてしまうことで「逃げ癖」がつくことのほうが怖いです。一度逃避してしまうと、逃げ癖をつくりだし、その結果としてどんどん人生が縮小してしまうと思うんです。だからこそ、困難から逃げない行動を選択するようにします。僕は、「考えること」よりも「行動すること」のほうが知的な行為だと思っています。


Q4: 毎日の仕事のなかで、いちばん大事にしていることはなんですか?

心構えという観点からだと、「すべてを出し切った後にさらに絞り出すこと」です。たとえばブレストでも、一通り意見を出し切ったあと、そこからどれだけの意見が出せるのか。これは弊社のスタッフにも求めることですね。筋トレと一緒で、自分の限界を超える訓練をすると、さらに能力を伸ばしていけるようになります。

業務という観点では、「優先順位」を最も重視しています。毎朝スケジュールやタスクリストを見て、いま何に取り組むべきかを判断します。何をやるのか、何をやめるのかを決定することがいまの仕事の大部分を占めているので、まずは優先順位をつけることを考えるようにします。どんなにささいな判断でも、その後に大きく作用するのは間違いないんです。

Q5: もし、いま20歳だとしたら、どんな仕事をしようと思いますか?

ファッションとテクノロジーを掛け合わせたいまの仕事が天職だと思っているので、何歳であってもこの仕事を選びます。他と比べるとファッション業界は、まだまだITを活用して新しい価値を提供できる分野です。それを実現できる環境にいるので、常にワクワクしています。

Q6: 気持ちが沈んだ時、どのように気持ちを切り替えますか?

ジムで筋トレをしたり、公園でランニングをしたりして、ひたすら身体を動かします。それが一番スッキリとしますね。身体を動かすことで良いホルモンが出て、「なんでこんな小さいことで悩んでいたんだろう!」という気持ちになります。


Q7: これまで観たなかでお気に入りの映画はなんですか?

映画はたくさん観るので、選ぶのが難しいですね(笑)。何度も観たものを挙げると、1つ目は『インセプション』(クリストファー・ノーラン監督/2010年)。世界観とストーリーが好きで、映像もすごくかっこいいですね。

2つ目は『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』(ケニー・オルテガ監督/2009年)。ライブのリハーサル映像をまとめた映画なのですが、ステージ上で輝かしい瞬間をつくるためには、その裏で100倍以上の努力があるということを知らしめてくれる点が良いですね。マイケル・ジャクソンからは理想的な「プロフェッショナリズム」と「チーム形成」について学びました。

3つ目は『エンドレスサマーII』(ブルース・ブラウン監督/1994年)。海の近くで育ったので、発作的に自然に触れたくなるときが多々あるんです。この映画を観ると、まるで海へ旅したような気持ちになるので、繰り返し見ています。“男の友情”が題材なのも好きなところです。

Q8: いま注目していることはなんですか?

GAFA(Google、Apple、Facebook 、Amazon)やマイクロソフトといったアメリカの巨大ネット企業と、中国の百度(バイドゥ)、阿里巴巴(アリババ)、騰訊(テンセント)の動向は海外のテックニュースサイトで常にウォッチしています。

そうした企業が前触れもなく発表する新しい技術が引き金となり、モノポリーのような面取りゲームがはじまるのがいまの時代です。たとえば、2017年にAmazonは、3D身体測量の技術をもつBody Labsという会社を買収しました。これにより、Amazonが洋服のオンライン試着サービスを始めるのではと考えられます。ZOZOSUITと似たような事業をAmazonが展開しはじめたら、われわれも戦略を見直すべきかもしれない。そのためにも情報は常に必要となります。


Q9: 10年後はどんな時代になっていると思いますか?

10年後ですか…難しいですね。なにか価値観の根底が揺らぐようなブラック・スワン(ありえないと思われていたことが発生すると、市場に予測できないほど大きい影響を与えるという理論)が起こって誰も予想していない世の中になっているのでは、と思うこともあります。過去10年を振り返っても、リーマンショックや東日本大震災が起きたり、人々がここまでテレビを見なくなったりすることなんて予想できなかったじゃないですか。

世界的に高齢化社会を迎え、閉塞(へいそく)感に覆われるような見方もありますし、ネガティブなことをあげるとキリがないと思うんです。だからこそ、悲観的にならずに幸せな社会を築かなければならないし、われわれが事業を通じて提供していくものがその一助になるべきだと考えています。

Q10: 人生において成し遂げたいことはなんですか?

これは即答で、「死なないこと」(笑)。生きてさえいれば、いくらでも経験を積み重ねられますからね。僕はポジティブな性格なので、生きること自体に大きな価値を見いだせています。あえて言うなら、「死んでもいいと思える瞬間を迎えて死ぬこと」が理想です。生をまっとうする、とでもいうか。最後に「ありがとう」という感謝の言葉を残して終われるような人生、それを成し遂げたいです。

プロフィール

金山裕樹 株式会社スタートトゥデイテクノロジーズ 代表取締役CINO(Chief Innovation Officer)

ファッションアプリ「IQON」(アイコン)を運営するVASILYを創業後、2017年10月に「ZOZOTOWN」 を運営するスタートトゥデイにM&A。スタートトゥデイの技術開発を担うスタートトゥデイテクノロジーズのイノベーション担当代表取締役として、スタートトゥデイ研究所の発足などR&Dと新規事業の創造を行っている。

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